Youtubeに「職場で『感受性』が必要とされる理由」というテーマで動画を投稿しました。本記事では、動画の内容を要約して紹介していきたいと思います。
感受性とは
感受性とは、相手の気持ちや真意を察知する力です。
相手の気持ちや真意の特徴は、「ストレートに言葉にして言う」ことは少ないということです。
はっきり言ったら、人間関係を崩してしまう恐れがあるから、良識ある人間は言葉に出して言いません。ですが、感受性の高い人間はすぐに察知し、相手の期待に応えようとします。
受講者は、一般にアセスメント受講前は「感受性」の評価を高くつけます。
ところが、アセスメント受講後は「感受性」の評価を低くつけるようになります。
なぜなら、ビデオを見て自分の行動を振り返ったとき、いかに気持ちが噛んでいないかに気づくからです。
なぜ感受性が必要なのか
感受性とは、相手の心の中を察する力です。
心の中とは、感情、発言の意図、伝えたい意味、期待事項など、言葉にできていない部分です。なぜ感受性が必要かというと、お互いが心底から深く分かり合えるため、人間関係や信頼関係を深めることができるからです。
相手の心の中を察するには、相手からの「メッセージ(言葉や態度)」を正しく解釈することが不可欠です。相手のルールで解釈しなくてはならないのに、自分のルールで解釈してしまうと、相手を誤解することになってしまいます。
感受性と配慮は違う、感受性と忖度は違う
感受性と配慮は違います。
感受性は、目のまえの人の「心」に関心が向かいます。目的は、正しい人の理解です。配慮は、目の前の多数の人からの「反応」に関心が向かいます。配慮は、だれであっても、どのような状況であっても、「一定の行動」をとれば目的を達成します。その目的とは、「良好な関係を維持する」ことです。「席を譲る」「頷いて話を聞く」「敬語を使う」などです。
感受性と忖度も厳密にいうと違います。
感受性は、目の前の人の「心」に関心が向かいます。目的は、正しい人の理解です。忖度は、相手の相手の気持ちや考えを推し図ることです。感受性は感じ取る、忖度は文脈から頭で推論するという意味合いが強くなります。感受性は相手に全神経を集中させ、感じ取るものです。忖度は、相手からのメッセージだけでなく、様々な情報を集めて相手の真意や期待などを推し図るものです。感性と論理の違いでしょうか。
2つの感受性
感受性には2種類あります。
- 人のための感受性
人の気持ち、真意、期待などを感じ取り、相手のニーズに応えていく - 自分のための感受性
人の気持ちや本音を感じ取り、自分の評価や自分への批判を確かめる
➁が強い状態を「過敏」と言います。よく鈍感力と言いますが、これは➀を鈍感にするのでなく、➁を鈍感することを言っています。人の評価や人からの批判には鈍感であり、何を言われても気にしない鈍感さを言っている。思いやりはあるけど、周りからの評価を気にしない人が一番です。
感受性が弱い人へのアドバイス
- 人間観察 人を観察する経験をする
発言や態度を見て、「意図」「真意」「期待」などを感じ取ってみる
ボリュームをオフにして会話を見て、感情面を追ってみる - 忖度 前後の文脈から発言の「意図」「真意」「期待」などを考えてみる
相手のルールで言葉を解釈する技術を高めていく
まずは忖度することを訓練してみる - サービス精神 人へのサービス精神を高める
「毎日、人が喜ぶことをやる」と心に決め、喜ばせたい人を慎重に観察する
何をすれば喜んでくれるか、言葉や態度から感じ取る - 感情交流 コミュニケーションにおいて「感情」を積極的に取り入れる
理屈だけの応酬でなく、意図的に感情を表出したり、相手の感情に共感したりすることで、感情面が通じ合うことができるようなる
次回に向けて
次回は、「多様性」について話したいと思います。